2025年も残すところあと僅かとなりました。弊社も明日から冬期休暇をいただきます。皆様にとって、今年はどのような一年でしたでしょうか。
私個人としては、今年も納得のいく仕事に恵まれた一年でした。特に印象深いのは、一宮市で建築させていただいた平屋の住まいです。理想に近い設計を具現化させていただき、ご縁をいただいたお施主様には感謝の念に堪えません。
このお住まいは、市街地に近い住宅街に位置しています。前面道路は決して広くはありませんが、それなりの交通量がある「南向き」の敷地です。通常、こうした条件では道路側に駐車スペースを配置し、その奥に建物を構えるレイアウトが一般的です。
初めてお施主様にお会いした際、某ハウスメーカー様の手書きプランを拝見する機会がありました。間取り自体は工夫されていましたが、一つ懸念がありました。それは「道路からの視線」です。そのプランのままでは、せっかくの開放感も、実際にはカーテンやシャッターを閉め切ったままの生活になってしまうことが目に見えていました。
家づくりにおいて、多くの方は「建物そのもの」に意識が集中しがちです。しかし、本当に心地よい住まいとは、周囲の環境や街の空気感と調和したものです。周囲に溶け込み、景観を損なわず、プライバシーを守りながらも、決して閉鎖的になりすぎない——。私たちは常に、その絶妙なバランスを追求したいと考えています。
あえてこの家の課題を挙げるとすれば、まだ「緑」が少ないことかもしれません。現在、バイクガレージと建物の間に設けたデッキテラスの中央には、一本の若木が植わっています。今はまだ小さな木ですが、これが大きく成長し、家を彩ってくれる頃に、改めて完成写真を撮らせていただくのが今から楽しみです。
この家は弊社ホームページで公開しております。是非ご覧ください。
https://www.kinoie.jp/works/ichinomiya_10.html
さて、2026年はどのような年になるでしょうか。また新しいお客様と共に、理想の家づくりを語り合える一年になれば幸いです。
皆様、どうぞ良い年をお迎えください。