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リノベか?建て替えか?リアルな選択

2025-11-05 14:25:38
2025-11-21 08:34:09
目次

日本の新築住宅の平均床面積が、年々縮小傾向にあるのをご存知でしょうか?国土交通省の「建築着工統計調査報告」を見ると、その傾向は明らかです。かつて持家の床面積は、ピーク時の1996年度に141.03㎡(約42.8坪)もありました。しかし、2023年度には113.95㎡(約34.5坪)まで減少しています。実に27.08㎡(約8.2坪)もの広さが失われているのです。この背景には、核家族化やライフスタイルの変化に加え、建設資材の高騰と長らく横ばいが続いた日本の所得状況が大きく影響していると考えられます。
そのため、「家を建て替えたい」という希望があっても、「新しい家は今の家より大幅に狭くなるのではないか?」「高騰する建築費を考えると、決断に二の足を踏んでしまう」と感じる方は少なくありません。

私たちは先日、「親から受け継いだ家をリノベーションするか、それとも建て替えるか」でお悩みのお客様に、リノベ、建て替え両方の具体的な計画案を提示する機会がありました。対比させた両案の「広さ」は、非常に象徴的でした。

リノベーション案
床面積:43坪(既存の広さを活用)
4寝室に加え、土間収納、パントリー、納戸など、現代の暮らしに合わせた豊富な収納力を実現。

建て替え案
30坪(平屋または2階建て)
リビング、寝室、水回りなど、必要な居室に面積を分配すると、残りの自由な空間はわずかに。

床面積のゆとりにおいては、リノベーション案が圧倒的に有利になることが、数字で証明されました。実際、お客様の興味は、この広さの魅力からリノベーションに傾きつつあります。

最終決定の鍵は「デザイン」と「費用」です。
しかし、広さの優位性だけでは、最終的な決断には至りません。残る検討課題は、以下の2点です。

1、デザイン性
魅力: 古い家をリノベーションしたとして、本当に今の時代に合った魅力的で快適なデザインになるのか?

2、性能と費用
耐震性や断熱性能を現在の新築水準まで向上させた場合、総額でいくら費用がかかるのか?

もし、リノベーション案がデザインや性能、費用の面でお客様の満足基準を満たせなかった場合、改めて「建て替え」を本格的に検討することになります。

この記事を書いた人

tsuzuki

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